
「さよなら。」
少年はつぶやいた。
希望に満ちたその瞳には、『早くこのあいさつ終わらないかな』
そんなキモチが渦巻いていた。
とりまく笑顔、人のあたたかさ、
これこそ我が国が島国であることを思い出させる。
右から2番目の男は絶対にワキガだ。
お土産にどうぞと村人がブツを用意している。
ここは食べ物豊かな村だった。
『はやくしろよ』
苛立つ少年が発した言葉に鳥だけがざわつく。
別れが辛いんじゃない。
あの男のにおいが辛いのさ。
「旅の途中、これで栄養をつけてくださいね。」
夕日が沈む。
影がようやく動きだすこの世界で、
村長の笑顔だけがそこには在った。
村を離れて三日。
さすがに空腹にも耐えられない。
風呂敷を広げる。
小さな豆が少々。
『なるほど、仙豆的な。』
そのツヤ、その曲線。
この豆と向かい合うと、何か神々しさを感じる。
ポリポリ。
ポリポリ。
ポリポリ。
ポリポリ。
「あーお腹いっぱい。」
このあと1つの村が消えた。
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